人生が一段落し
心のなかに ぽっかり
穴があいているよう——
そんな空虚感は
まぼろしかもしれません。
『おおきなけやき』は
人生の過程において
役割に変化があること
それぞれに幸せがあることに
気づかされます。
命の循環や人生の役割を
静かに描いた絵本『おおきなけやき』。
読み終えたあと
見える景色が
少し変わるかもしれません。
基本情報|
書名:おおきなけやき
作:林 木林
絵:広野 多珂子
出版社:すずき出版
ページ数:28ページ
ISBN:9784790252221
発行日:2011年1月15日
対象年齢:4・5歳頃〜
※人生の転機・喪失感・定年後の虚無感を抱える大人にもおすすめ
読み聞かせ時間:約5分
ジャンル:大人向け絵本/命の循環/人生/喪失と再生/心が整う絵本
どんなお話?|
絵本『おおきなけやき』の内容紹介
森のなか
ある冬の 最後の寒さの日
森で一番背の高い
一番年をとったけやきが
倒れます。
一番空に近かったけやき
今は 一番空から遠い木に
なりました。
倒れたことで終わったはずの命。
しかし けやきは
新しい時間を生きはじめます。
倒れたけやきは
そこから どんな時間を
生きていくのでしょうか?
命の循環を
静かに感じさせてくれる
物語です。
感想・考察|
倒れたけやきの生きざまからもらえる勇気
けやきが立っていた頃にいた
木や草、虫、動物が
倒れたけやきに 今まで感じたことを
口々にいいます。
それらの言葉から
みなが けやきを 憧れていたり
好いたり 誇りに思っていたことが
うかがえます。
それは けやきが みなへ返す
言葉からも けやきの素晴らしさを
感じずにはいられません。
そして 立っていた頃とは違う形で
誰かを支え 命を育みながら
生きていく姿が
とても美しく感じられました。
人生のなかで
役割を終えたように感じたり
以前のようには必要とされていないと
感じたりすることがあります。
この絵本は そんな風に感じているあなたに
「役割の終わり」は
「価値の終わり」ではないことを
静かに教えてくれる大人向け絵本です。
印象的なシーン|
草や花で包まれる美しいけやきから感じる生きることの尊さ
けやきが倒れてから
何年も年月が流れ
様々な季節が
絵で描かれています。
広野多珂子さんの
季節の色彩豊かな絵は
紙でページをめくることで
より深く 森の空気まで
感じられるようです。
そして けやきの幹や枝に
もみじが 包み込まれているシーン
くさばなたちで 埋め尽くされるシーン
色鮮やかに花で いっぱいになるシーン
その美しさと けやきの幸せが
伝わってきます。
それらは けやきの一生を
讃えているようで
ページをめくっていくうちに
感動とともに
涙腺がゆるまずには
いられませんでした。
こんな人におすすめ|
💛 自分の生きる意味や役割を見失っている方
💛 人生の転機・喪失感・環境の変化のなかにいる方
💛 子育て後・転職後・退職後など、心に空白を感じている方
💛 やさしく背中を押してくれる物語を読みたい方
💛 大人が深く味わえる、心が整う絵本を探している方
💛 命の循環や自然を描いた絵本が好きな方
まとめ|
あなたの背中をそっと押してくれる
心に穴があいたような気持ち。
「もう自分の役割は終わったのかも」
そんな虚無感や喪失感を抱えるときがあります。
『おおきなけやき』は、
「役割が変わっても価値はなくならない」ことを
静かに教えてくれる絵本です。
人生を少し俯瞰して見たいとき、
心を整えたいときに。
きっと、そっと背中を押してくれる一冊です。
